監視・コントロールプロセス群には12のプロセスがあります。
以下、プロセスの中で「コミュニケーション」「リスク」「ステークホルダー」の3つだけが監視になっています。その他のプロセスはすべてコントロールです。なぜこの3つのみが監視なのか?覚えやすいようにすべてコントールでも良いのではと疑問に思っていました。
【統合】
プロジェクト作業の監視・コントロール
統合変更管理
【スコープ】
スコープの妥当性確認
スコープのコントロール
【スケジュール】
スケジュールのコントロール
【コスト】
コストのコントロール
【品質】
品質のコントロール
【資源】
資源のコントロール
【コミュニケーション】
コミュニケーションの監視
【リスク】
リスクの監視
【調達】
調達のコントロール
【ステークホルダー】
ステークホルダーエンゲージメントの監視
PMBOK第6版を読んでいた時、回答を見つけました。この内容を読む限り、プロジェクトマネージャーが自らの意思でコントロールできるか否かという判断で良さそうです。第5版まではコントロールで定義されていたようなので時代に合わせてより厳密に精度が高まっていることがわかりますね。
X1.18 第10章—プロジェクト・コミュニケーション・マネジメントの変更
PMBOK第6版より引用
プロジェクト・コミュニケーションについて、分かりにくいが重要である区別が本章では施されている。「コミュニケーション」という用語は、ミーティングを遂行したり、情報を提供したり、積極的に耳を傾けたりといった伝達の行為を示すものである。「コミュニケーションズ」という用語は、メモやプレゼンテーションやメールなどの意思伝達のための生成物を示す。人々がいつ、どのように意思伝達するかをコントロールすることは不可能であるため、コミュニケーションのコントロールという名称はコミュニケーションの監視と変更された。
X1.19 第11章—プロジェクト・リスク・マネジメントの変更
PMBOK第6版より引用
リスク・マネジメントのプロセス全体に、総合的なプロジェクト・リスクを組み入れることが重視された。新規プロセスとして、リスク対応策の実行が追加された。このプロセスは、実行プロセス群の一部である。新規プロセスでは、リスク対応策の計画に限らず、それを実行する必要性も重視される。新たなリスク対応策として「エスカレーション」が導入され、リスクがプロジェクトの目的の適用範囲外で特定された場合に、組織内の適切な人物または部門に通達する必要性を指摘する。リスクとは不確定な未来の出来事や状態であるため、コントロールはできないが、監視は可能である。それゆえ、リスクのコントロールのプロセスは、リスクの監視と改名された。
X1.21 第13章—プロジェクト・ステークホルダー・マネジメントの変更
PMBOK第6版より引用
現行の調査および実務慣行に合わせ、焦点はステークホルダー・マネジメントからステークホルダー・エンゲージメントへ変わった。プロジェクト・マネジャーがステークホルダーをコントロールすることはほとんど不可能であるため、ステークホルダー・エンゲージメントのコントロールは、ステークホルダー・エンゲージメントの監視へ改名された。
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