Route add コマンドの使い方

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はじめに

先日、WindowsのAサーバからBサーバに通信させるためにFirewallの設定を実施しました。しかしAサーバからBサーバに疎通できるのにBサーバからAサーバに疎通できないという状況になりました。

最初はFirewallの設定を間違えたか、Aサーバでパーソナルファイアウォールが有効になっているのか、と思っていましたが両方とも違いました。調査した結果、スタティックルーティングの問題であることがわかりました。

このあたりの説明は以下のサイトがすごくわかりやすかったのでご紹介です。
スタティックルーティング - route addコマンドとは

原因がわかればスタティックルーティングの設定をするだけです。routeコマンドの使い方を簡単に整理しておきます。

ルートの追加

ルートを追加する場合はroute addコマンドを使用します。オプションの「-p」はOSを再起動してもルートを保持させるという意味です。

C:\>route add 宛先のネットワークアドレス mask 宛先サブネットマスク ゲートウェイ(ネクストホップのIP) metric 番号
------------------------------------------------------------------------------
サンプル1(再起動すると設定は消える)
C:\>route add 172.20.1.0 mask 255.255.255.0 192.168.100.1 metric 1

サンプル2(再起動しても設定は消えない)
C:\>route -p add 172.20.1.0 mask 255.255.255.0 192.168.100.1 metric 1

ルートの変更

ルートを変更する場合はroute changeコマンドを使用します。ゲートウェイを192.168.100.1から192.168.200.1に変更します。

ネットワークアドレスやサブネットマスクを変更する場合は、対象を削除して新規追加するため変更はほぼ使いません。

C:\route change 宛先のネットワークアドレス mask 宛先サブネットマスク ゲートウェイ(ネクストホップのIP) metric 番号
------------------------------------------------------------------------------
サンプル
C:\>route change 172.20.1.0 mask 255.255.255.0 192.168.200.1 metric 1

ルートの削除

ルートを削除する場合はroute deleteコマンドを使用します。

C:\route delete 宛先のネットワークアドレス
------------------------------------------------------------------------------
サンプル
C:\>route delete 172.20.1.0

ルートの確認

ルーティングテーブルを確認する場合はroute printコマンドを使用します。

C:\>route print
===========================================================================
インターフェイス一覧
  5...00 0c 29 f9 3f e3 ......Intel(R) 82574L Gigabit Network Connection
 ===========================================================================

IPv4 ルート テーブル
===========================================================================
アクティブ ルート:
ネットワーク宛先        ネットマスク          ゲートウェイ       インターフェイス  メトリック
          0.0.0.0          0.0.0.0    192.168.188.2  192.168.100.158    281
        127.0.0.0        255.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
        127.0.0.1  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
  127.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
       ● 172.20.1.0    255.255.255.0    192.168.100.1  192.168.100.158     26
    192.168.188.0    255.255.255.0            リンク上   192.168.100.158    281
  192.168.188.158  255.255.255.255            リンク上   192.168.100.158    281
  192.168.188.255  255.255.255.255            リンク上   192.168.100.158    281
        224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上         127.0.0.1    331
        224.0.0.0        240.0.0.0            リンク上   192.168.100.158    281
  255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上         127.0.0.1    331
  255.255.255.255  255.255.255.255            リンク上   192.168.100.158    281
===========================================================================
固定ルート:
  ネットワーク アドレス          ネットマスク  ゲートウェイ アドレス  メトリック
          0.0.0.0          0.0.0.0    192.168.188.2     既定
       172.20.1.0    255.255.255.0    192.168.100.1       1
===========================================================================

172.20.1.0の宛先が追加されています。(●の部分)
route addコマンドで「-p」を使用した場合は固定ルートにも表示されます。固定ルートはOSを再起動しても消えないことを意味します。

ルータやL3、Firewallなどでルーティング制御すれば、サーバ側でroute addによる宛先ルートの設定は不要です。しかし実際のネットワーク環境では、セキュリティ要件で設定変更できない機器やサーバ側だけで通信制御して欲しいという要望が多くあります。そのため、今回のように単純な構成で実装するケースは意外と多いです。

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