OSPFの基本

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OSPFの概要

  • リンクステート型ルーティングプロトコル
  • マルチベンダーサポート
  • マルチキャストをサポート(224.0.0.5と224.0.0.6)
  • エリアの概念による階層型ルーティング
  • DUALを使用した高速なコンバージェンス
  • クラスレスルーティングプロトコル
  • ルーティングテーブルのコンバージェンス時間が短い
  • ループが発生する可能性が極めて小さい
  • メトリックは「コスト」を採用
  • CPUやメモリの使用率が高い

OSPFテーブル

テーブル名説明コマンド
ネイバーテーブル認識しているOSPFネイバーのリスト。隣接ルータとの隣接関係情報が格納されている。

【ネイバー確立の条件】
・Hello/Deadインターバル
・エリアID
・ネットワークマスク
・認証パスワード
・スタブエリアフラグ
show ip neighbor
トポロジーテーブルLSAを格納したデータベース。LSDBとも呼ばれる。エリア内のすべてのOSPFルータは同じLSDBを保持する。
ルーティングテーブルトポロジテーブルから得た最適ルートのリストです。実際のルーティングで使用される。show ip route

show ip routeコマンド

コード意味
OOSPFエリア内ルート
O IAOSPFエリア間ルート
O E1OSPF外部ルートメトリックタイプ1
O E2OSPF外部ルートメトリックタイプ2
O N1OSPF NSSA 外部ルートメトリックタイプ1
O N2OSPF NSSA 外部ルートメトリックタイプ2

OSPFネットワークタイプ

マルチアクセス
・ブロードキャストマルチアドレス
・ノンブロードキャストマルチアクセス

ポイントツーポイント
・ポイントツーポイント
・ポイントツーマルチポイント

ネットワークタイプの種類
Hello/Dead
インターバル(秒)
DR/BDRネイバーの
明示的な設定
BROADCAST10/40不要
NON_BROADCAST30/120
POINT_TO_POINT10/40不要不要
POINT_TO_MULTIPOINT30/120不要不要
POINT_TO_MULTIPOINT
NON_BROADCAST
30/120不要

OSPFルータの種類

内部ルータすべてのインターフェースが同じエリアに所属しているルータ。
バックボーンルータバックボーンエリア(エリア0)に所属しているインターフェースを少なくとも1つ持つルータ。
エリア境界ルータ
(ABR:Area Border Router)
複数のエリアに所属するインターフェースを1つ以上持っているルータ。
自律システム境界ルータ
(ASBR:Autonomous System Boundary Router)
非OSPFネットワーク(別の自律システム)に所属するインターフェースを1つ以上持つルータ。 非OSPFネットワークとは、RIPやEIGRP、BGP、スタティックルーティングなどOSPFではないルーティングプロトコルを運用しているネットワークのこと。
ASBRでは、ルーティングプロトコル間で適切なディストリビューション(再配送)の設定を行うことで非OSPFネットワークのルートをお互いにやり取りできる。

LSAの種類

タイプ名称コード表記内容
1ルータLSAOルーターのインタフェース情報など。すべてのOSPFルーターが生成する。
2ネットワークLSAO各マルチアクセスネットワーク上のルータ情報など。DRが生成する。
3ネットワークサマリーLSAO IA他エリアの経路情報。ABRが生成する。
4ASBRサマリーLSAO IAASBR宛ての経路情報。ABRが生成する。
5AS外部LSAO E1
O E2
外部ネットワークの経路情報。ASBRが作る
7NSSA外部LSAO N1
O N2
NSSAを通じて通知する外部ネットワークの経路情報。NSSA内のASBRが作る

エリアの種類

エリアLSA内容
バックボーンエリア1,2,3,4,5すべてのエリアが接続されるエリア
標準エリア1,2,3,4,5バックボーンエリア以外のデフォルトのエリア
スタブエリア1,2,3外部ルートがデフォルトルートとして通知されるエリア
トータリースタブエリア(完全スタブ)1,2外部ルートと外部エリアのルートがデフォルトルートで通知されるエリア
NSSA1,2,3,7ASBRを配置できるスタブエリア
トータリーNSSA1,2,7ASBRを配置できるトータリースタブエリア